桑名の駅前にあった、ワインバーinoをご存知でしょうか。
全席9席ほどの小さなバーでしたが、店主さんご夫妻のやわらかい雰囲気が時間を忘れさせてくれる、僕の大好きなお店のひとつでした。
そんなワインバーinoが、2019年6月をもって移転。
業務形態をワインバーから韓国料理店に移し、新しいお店コリアンダイニング スラを桑名一番街にオープンしました
なぜワインバーから韓国料理店に変更したのか?
どうして韓国料理なのか?
そのあたりも聞いてみましたので、料理や店内の様子とともにご紹介したいと思います。
2020年5月現在、コロナウイルス感染拡大防止のため、テイクアウトメニューの提供も始めています。
外食はまだ怖い・・という方は、ぜひ参考にしてください。
コリアンダインニングスラはこんなお店
コリアンダイニングスラのオープンは、2019年6月6日です。
ワインバーinoは2017年2月のオープンでしたから、2年半のワインバー経営を経ての韓国料理店への転身でした。
スラは韓国語で「おひざ元・親元」という意味。
もう少しお店のコンセプトに沿った形で言うと、おいしいご飯をふるまってくれるお父さん・お母さんの家といった感じでしょうか。
オープンした場所は桑名一番街という、桑名駅から徒歩2分ほどの路地。
おばんざいのお店陽菜田やビストロデルタなどのちょうど向かい側です。
一番街の雰囲気って、寂れたお店もあったり、明るいお店もあったり、なんとも桑名らしいところなんですよね。
そして今思ったんですが、本場韓国の家庭料理屋も一番街のような感じの小さな路地に点在してたりします。
路地裏に迷い込むような感覚でおいしいお店を探すのが楽しい韓国。
そういう意味では、ご夫妻が作りたいお店のコンセプトっていうのが何となく見えるなあと感じました。
スラのお店の外観はこんな感じ。
木の扉で窓が少し高い位置にしかなく、外から中は見えない造りになっています。
ワインバーを経営していたということで、中はシックな感じなのかな?カウンターメインのお店なのかな?と色々想像が膨らみますね。
しかし、その予想は大きく裏切られることに。
スラの店内
スラの店内は、予想に反してとっても明るくてアットホームなぬくもりのある空間でした。
テーブル席が6つと、カウンターが10席ほど。
テーブルや椅子はすべて木でできていて、とても親しみやすい感じ。
店内の装飾にもふんだんに木を使っていて、白とブラウンを基調とした色合いのやわらかい雰囲気。
当然新規オープンなのでもちろん内装はきれいで、スタイリッシュな感じもしますが、ところどころに感じる韓国のテイストが面白いんです。
窓のつくりも韓国にありそう。
カウンター前の足の長い椅子に、ワインバーを営んでいた名残を感じたりします。
もちろんワイングラスもありますし、店内の片隅にはあの見慣れたワインセラーが置いてありました。
テーブルにはワインのメニューはありませんが、店員さんに声を書ければワインのメニューをもらえます。
ボトルワインのリストから、おすすめのグラスワインまで。
料理に合うワイン選びが難しかったら、店主さんに気軽に相談しましょう!
テーブルに置かれた金属製のスプーンと平べったいお箸が、コリアンダイニングをしっかりと演出しています。
スラのテイクアウトメニュ
2020年のコロナウイルス感染拡大防止のため、テイクアウトメニューの提供をはじめました。
メニューはこちら。
何度もスラに通っている僕がおすすめしたいのは、
- チャンジャ 400円
- チャプチェ 600円
- ジャガイモチヂミ 600円
- キムチチヂミ 600円
- タッカンマリ 2800円+シメのうどん 1人前150円
特に、タッカンマリが超絶おすすめ!後で詳しく書きます。
鍋を持って行ってテイクアウトして、ぜひご家庭で楽しんでください。
スラのイートインメニュー
コリアンダイニングスラのメニューは、オープン当初はオープニングメニューのみでしたが、2020年5月現在ではいろなメニューの提供がされています。
【おつまみ】
- 各種キムチ 300円
- キムチ盛り合わせ 600円
- チャンジャ 400円
【チヂミ類】
- キムチチヂミ 680円
- にらチヂミ 680円
- じゃがいもチヂミ 680円
【一品料理】
- ケランチム 280円
- 韓国冷やっこ 380円
- チャプチェ 680円
- トッポッキ 780円
【チゲ類】
- テンジャンチゲ 680円
- キムチチゲ 780円
- スンドゥブチゲ 880円
【ごはん類】
- 韓国のり巻き 780円
- ビビンバ 880円
- 石焼ビビンバ 980円
- 黒米ご飯 200円
【麺類】
- 冷麺 880円
- ビビン冷麺 880円
コースメニューは、サムギョプサル、ボッサムとなっています。
ドリンクで目を引くのは、クラフトビール。
いろいろなお店で見かけることがおおくなってきたタップマルシェを導入しています。
もちろん生ビール、ハイボール、サワー、焼酎など、一通りのアルコールは揃っています。
そして、韓国料理店ということでマッコリ!
麹酵堂生マッコリ「クッスンダン」や、おこげマッコリ・ももマッコリなどいろいろあります。
チャムスルをはじめ韓国酒もいろいろ揃っていますので、こちらも気になるところ。
- 生マッコリ グラス400円 壺1,280円
- 百歳酒(ぺクセジュ) 1,380円
- 覆盆子酒(ボップンジャジュ) 1,380円
- チャミスルフレッシュ 780円
などなど。
鶏肉好きなら間違いなくタッカンマリ!
最近、衝撃的においしいと感じたのは、丸鶏一羽を煮込む滋養鍋のタッカンマリです。
量としては2~4人前になります。
鶏肉を一羽まるごとネギやショウガなどとともにそのまま鍋の中に。
豪快さが食欲をそそります。
煮立ってくると店員さんが鶏肉をハサミでカットして一口大にしてくれます。
そしてさらに煮込むこと数分。
ぐつぐつ煮立つ鍋を見ながら、元ワインバーのマスターおすすめの白ワインを飲みながら待ちます。
鶏肉とスープの香りが立ち上ってたまらない!
タッカンマリには、コクのある辛さの唐辛子と、たれを用意してもらえます。
たれにお好みの量だけ唐辛子をとかし、準備万全。
酸味の中に絡みがピリッと聞いたたれが完成。
鶏肉・ネギなどをとりわけ、先ほど作った自分好みのたれをつけていただきます。
・・・これがモノすっごくおいしいんです。
スープに鶏肉の味わいが溶け出し、飲み干したくなるほどのおいしさ。
ネギと鶏肉にはピリッと辛めのたれがあう。
辛さが癖になるので、辛めが好きな人は、徐々に唐辛子をオンしていきましょう。
最後に、〆のうどんを投入。
乾麺を入れ煮込むこと数分。
つるつるの麺が取り分けられ、鶏ダシスープでいただくと最高。
辛さが足りなければ手元に唐辛子はあるし、酸味が欲しければタレを追加すればいいし。
どうしたらおいしくなくなるのかが知りたい。
2人で行くときは、お酒とタッカンマリとおつまみを少し頼むだけで、幸せ度はマックスになります。
スラの絶品料理
オープンすぐに食べに行って思い出に残ったのは、ボッサムのコース。
すぐ近くのクラフトビールバーTOBIRAで準備運動としてビールを飲んでくることも多く、ファーストドリンクからマッコリというケースも多いです。
この時はマッコリと東京IPAで乾杯しました。
ボッサムを注文するとまずやってくるのが小皿料理たち。
韓国のりやキムチ・チャプチェなど、5種類が登場。
料理全体を通して言えるんですが、スラの料理はどちらかと言うと辛さ控えめで、他の韓国料理店に比べると薄味なんです。
もちろん辛いものは辛いです。
でも刺激だけを求めた辛さじゃなくて、やさしい辛さ。
もともと辛くない料理も、油をできるだけ控えめにしているんじゃないかな。
本当にくどくなくて、韓国料理は苦手という方にも受け入れてもらえる味なんじゃないかなと感じました。
特にチャプチェは甘辛いところが多いと思うんですが、スラのチャプチェは思いのほかあっさり。
歯ごたえもしかっかりあり、これものすごく好き。
キムチも辛すぎず、でもしっかりとコクが出ていておいしい。
ビールとマッコリがすすみます。
次に登場するのがケランチム。
グツグツと煮立った器で出てくるのは、ふわふわタマゴ。
アツアツのうちにとり皿に取り分けて、口に運びます。
これがめちゃくちゃうまい!
最低限の薄味で、タマゴのおいしさをしっかりと味わえる。
ふわっふわのタマゴが口の中でほどけていく感じが最高。
時間がたつにつれてタマゴに火が通っていくので、食感も変わっていきます。
ケランチムは単品280円もあるので、おかわりも当然ありですね。
もう一回言いますと、ケランチムめっちゃおいしい。
子どもが大好きな味で、おかわりは当たり前です。
アミエビの塩辛と、チャンジャも出てきます。
チャンジャも、ものすっごく辛いというわけではなくて食べやすい。
アミエビの塩辛は見た目に反してしっかりと味がついていて、チビチビと食べながらお酒を飲むのに向いています。
これらのおかずは日によって変わりますので、毎回行くのが楽しみ。
メインが出てきたところで、奥さんが直接テーブルまで来てくださって、食べ方を教えてくれました。
豚肉を手前のゴマ油にドブっとにつけてから葉っぱで巻いていただくそうです。
口に入れて噛むと豚肉の甘みが出てきて、幸せな瞬間。
茹で豚もパサパサではなくしっとりとした食感。
余分な脂が落ちていますので、かなりヘルシー!!
さらにキムチチゲも登場して、これでコース2,280円って結構お得じゃない?と気づきます。
小皿に盛られたおかずと、ケランチム、キムチチゲ、ボッサムと食べ進めると、結構おなかがいっぱいなってくるわけです。
奥さんに「シメは何がおすすめですか?」と聞くと、おなかが空いているなら石焼ビビンバでおなかを満たすのがおすすめとのことで追加注文。
シイタケがたっぷり入っているのが印象的ですね。
この石焼ビビンバ、結構ボリュームがありますので、まだまだ全然いけるぜ!おなかすいた!という時におすすめです。
ご飯が白米ではないですし、たっぷりシイタケも味わい深く、今まで他のお店で食べてきたビビンバとは一味違うおいしさでした。
さらに別の日には、キムチチヂミをいただきました。
大きさは、大人の男性の手のひらくらい。
でもね、このチヂミめっちゃサクサクなんです!
口に入れると、サクッとした食感の後に、中からキムチの香りがふわっと飛び出してきて、絶品。
ぜひ一度お試しください!
最後に、トッポッキ(トッポギ)も他店とは一風変わった印象。
トックという餅を使った韓国料理で、コチュジャンや砂糖を使って甘辛く煮込んだ料理。
本場韓国や他店で食べるときは、「ちょっと甘すぎるかな」と感じることが多いんですが、スラのトッポッキはさらっとした甘みに後からくる辛さが印象的です。
チーズをトッピングで、さらにまろやかに。
お気に入りの一品になりました。
スラの店主さんに聞いた、なぜ韓国料理店なのか
店主夫妻の奥さんがテーブルに来た時にご挨拶をして、なぜ韓国料理店なのかを聞いてみました。
奥さんはずいぶん前から韓国に強い興味を持って、韓国語を勉強してきたそうです。
その結果、なんと現在韓国語の教室を開いているとのことで、少し前には韓国料理の教室もやっていたそう。
教室を開けるまで勉強したのもそうですが、自分で教室を開くっていうのは別の話で、結構パワーがいるんですよね。
うちの嫁さんが「奥さんかわいい」と連呼するほどきれいな方なわけですが、中身もしっかりと芯が通っていて魅力的です。
そして、前々から自分の韓国料理店を営んでみたかったという夢をかなえたのが、今回の新規オープン「コリアンダイニング スラ」とのことです。
もちろんご主人も厨房に入って料理をします。
でもやっぱりワインバーをやってきた経験を生かした、ご主人セレクトのおいしいワインも大きな楽しみの一つ!
これは僕の主観ですが、ご主人が奥さんの夢を叶える手伝いをした形になるので、ご主人の優しさというか心意気みたいなものも感じました。
夫婦二人三脚とはまさにこのこと。
ご主人は物腰が柔らかくてイケメンなわけで、お二人とも美男美女なわけで、お話をするのも楽しいし、ご飯もおいしいし、そりゃこれからも通いたくなる要素満載です。
一番街にもどんどん新規オープン店が増えてきているので、今後の桑名駅前を盛り上げてくれるお店の一つだと思います。
ご夫妻が作りたかったお店のコンセプトがひしひしと伝わってくる、コリアンダイニングスラのご紹介でした。
スラのおすすめポイント
- あたたかいぬくもりのある店内
- いつでも癒し系のご夫妻が作る空間
- あっさり辛さでいただける家庭的な韓国料理
- 料理に合う店主さんセレクトのワイン
コリアンダイニングのアクセス・営業時間など
店名 | コリアンダイニング スラ |
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電話番号 | 0594-86-7939 |
営業時間 | 通常 11:00~24:00 ※コロナウイルス感染拡大防止のため、下記の営業時間です。 11:30~20:00 |
定休日 | 水曜日 コロナウイルスが落ち着くまでは火曜日もおやすみ |
住所 | 三重県桑名市桑名476-63 |
デリバリー有無 |
まとめ
ワインバーinoが移転となると知って、実はものすごくショックを受けてました。
桑名駅前の大好きなお店の一つだったので。
でも、迎え入れてくれたのはいつもの店主さんご夫妻。
そしてあたたかいお店。
これからスラがどんな感じで発展していくのか楽しみだなあと、ワクワクしながらお店を後にしました。
コリアンダイニングのすぐ近くのお店の記事はこちらです。