新型コロナウイルス感染拡大防止のため、三重県では2020年5月31日まで県立学校の休校が決定しました。
それに伴い、三重県は学力低下を防止のため「県立高校ではオンライン授業を行う」ことを各校に通知しています。
でも、オンライン授業って具体的にどんな準備が必要なの?
オンライン授業をする上で注意することは?
色々心配はあると思います。
WindowsマイクロソフトのCEOが、「今後オンライン授業・オンライン会議は減ることなく、むしろ定着し、発展していく」と断言しています。
これは推測でも希望でもなんでもなく、実際にそうなっていくと、会社ではソフトウェア技術者として働く僕自身もそう感じています。
そのため、この機会にオンライン授業・オンライン会議のことを詳しく知っておくと、必ず今後の生活の役に立つはず。
今回の緊急事態宣言に伴い、僕もオンライン授業開設のサポートをしました。
その経験を踏まえて必要な準備や注意点を書いてみたいと思います。
なぜオンライン授業がはじまる?
2020年5月4日現在、三重県は県立の高校や特別支援学校はコロナウイルス感染拡大防止んため、休校となっています。
休校は2020年5月6日までの予定でした。
しかし、政府の緊急事態宣言の延長を受け、高校・特別支援学校の休校も2020年5月31日までに延長されることが決定しました。
この休校期間中、高校ではオンライン授業を実施し、
- 毎朝オンラインでのホームルームを実施
- 週に3~5日午前中2コマのオンライン授業を実施
- 生徒はオンライン授業中制服を着用する
という方向で運用されるそうです。
理由は、生活リズムをつけることと、学習内容の定着を図るため、とのこと。
また、公立の小中学校の休校期間は自治体に任せされているそうですが、ほぼすべての市町村で5月31日までの休校となる見込みです。
オンライン授業に必要な準備は?
オンライン授業は、今まで経験したことがないお子さん・保護者の方には、想像が難しいと思いますので、なるべく簡単に説明したいと思います。
オンライン授業には、
- 機材(機器)
- 環境
の二つが必要です。
まずは、機材(機器)の説明から。
オンライン授業はインターネットを使って授業を行うので、いくつかの機器を準備する必要があります。
オンライン授業に必要な機器がそろっていないご家庭には、県から機器を貸し出すとありますが、まずは貸し出しがない前提で説明します。
- ノートPC・タブレット・スマートフォンのいずれか
- Wi-Fiを送信できる端末(ルーター、ポケットWi-Fiなど)
ノートPC・タブレット・スマートフォンは、インターネットで配信される先生の授業を視聴するために必要です。
音が聞けて、画面を見ることができる、インターネットに接続できる機械です。
県からの方針が出ていないので正確には言えませんが、iPhoneやAndroidのスマートフォン、もしくはiPadなどのタブレットを持っていれば、まずだいじょうぶでしょう。
学校指定のオンライン授業用のアプリをインストールする必要がありますが、iPhone/iPad/Android/ノートPCなら、いずれも簡単にインストールできますので心配いりません。
スマホ・タブレットをそのまま使う場合、授業の音が漏れてしまうので、それが嫌な場合はスマホ用のマイク付きイヤホン(またはヘッドホン)を購入することをおすすめします。
アンドロイドのスマホ・タブレットの場合はこちらのような感じです。
iPhoneは少しやっかいで、iPhone7以降のイヤホンジャックがなくなっています。
そのため、変換コネクタを買うか、ライトニングケーブル端子に直接接続できる必要があります。
変換コネクタはこちら。
でも、モノの割には高いんですよね。
なので、無線で接続できるBluetooth対応のマイク付きヘッドホンの購入の方が、他の用途にも使いやすいです。
無線だと肩こりもありません。
ノートPCを使用する場合は、マイクとスピーカーがついていることが必要です。
お使いのノートPCを確認してみてください。
ついてなければ、下記のようなUSBで接続できるヘッドセットを購入しましょう。
そしてもうひとつ。
インターネットからデータを受信して、ノートPCやタブレットなどにWi-Fiを送信する機械も必要になります。
Wi-Fiがなくてもオンライン授業を受けることはできますが、まずおすすめしません。
理由は後で書きます。
- インターネット光回線
家にインターネット回線を開通しているご家庭は多いと思いますが、できるだけこの機会に光回線に乗り換えることをおすすめします。
また、インターネット回線を利用していない、スマホで十分というご家庭の方も、一度光回線への乗り換えを検討してみてください。
理由は少し説明を書いた後に書きたいと思います。
ただ、間違いなく光回線への乗り換えのタイミングです。
ソフトバンク携帯をご利用の方
※ソフトバンクの携帯をご利用の方は、SoftBank光
下記のサイトからSoftBank光を申し込むと、最大50,000円のキャッシュバックに、他社インターネット回線の解約違約金も還元されます。
契約後、光が開通するまでの間、SoftBank AirかPoket Wi-Fiが無料で借りられますので、すぐに環境は整います。
au携帯をご利用の方
auをご利用の方は、au光を契約すると、携帯1台当たり毎月500円~1,000円安くなります。
また他社回線からの乗り換えで最大115,000円の大幅キャッシュバックがあります。
最大のキャッシュバックをもらおうとすると条件は付いてきますが、現実的なところでも3,5000円はもらえるので、乗り換えもおすすめ。
オンライン授業でできること
オンライン授業でできることは、先生(授業をする側)のスキルと、生徒(授業を受ける側)の利用する機器で決まってきます。
一番単純なオンライン授業は、
- 先生が話す
- 生徒が先生の姿を見ながら話を聞く
です。
多人数でできるビデオ通話ですね。
次に、先生が書いたものを生徒の機器に表示する(共有する)スキルがあれば、
- 先生が板書(または教科書やワークなどのデータを共有)したものを生徒が見る
ことができます。
また、生徒が自分の様子を写すことができるカメラ付き機器(例えばスマートフォン)を使用していると、
- 先生が生徒の顔を見る
- 生徒が他の生徒の顔を見る
ことができるようになります。
今回の自治体によるオンライン授業では、どこまでを想定しているかわかりませんが、多くの生徒はスマホかタブレットを持っていることを考えると、
- 先生が画面の向こうで話している授業を聞く
- 自分の顔は先生の方に見える
- 他の生徒にも自分の顔は見える
- 生徒から先生に質問をすることができる
という授業になるのではないでしょうか。
実は一番ハードルが高いのが、先生が書いたものをリアルタイムで生徒に見せることです。
これを達成するにはいろいろな事前準備とプラスの機器が必要です。
実際に僕がオンライン授業開設を手伝ったケースでも、自分が書いたものをリアルタイムに共有するのはかなりハードルが高く、時間も費用も掛かりました。
「生徒が書いたものの提出」もオンラインでできるのですが、そこまでは今回の学校によるオンラインでは難しいと思いますし、生徒側もそのための準備がないと考えられます。
オンライン授業に必要な家庭環境
オンライン授業をする場合、基本的にはノートPC・スマホについているカメラで自分を撮影しながら授業を受けることになります。
そのため、できれば背景に何も映らない部屋を用意するのがベスト。
実は自分の背景をぼかしたり、写真の背景とすり替える機能もありますが、オンライン授業を行うアプリケーションによって変わります。
なので、とにかく背景が映っても問題ない部屋を用意するのがひとつ。
また、当然生徒側の声は先生に届きます。
自分自身の声を他の人に伝わらないようにする「ミュート」機能は、ほとんどのオンライン授業ができるアプリには搭載されています。
そのため、授業を効いている間はずっとミュート状態でしょう。
ですが、先生から当てられて話さなければいけないときは、ミュートを解除して発言します。
その時に家族の声や大きな物音がすると、先生と他のすべての生徒にその音が聞こえてしまいます。
実際僕もオンライン会議をよくしていますが、ミュートを解除して話し始めた途端に奥さんの声や子どもの泣き声が入って聞き取れない、そんなことはしょっちゅうあります。
ということで、極力自分の部屋で静かに授業を受けて他の物音が入らない環境を作った方がよいです。
- 背景に何も映らない場所を用意
- 物音や声が入らない部屋でオンライン授業を受ける
また、案外腰に響くのが、椅子です。
1時間以上座って授業を受けるので、座椅子に座ったり、地べたに座って授業を受けると、間違いなく腰が痛くなります。
今後のオンライン授業を見据えるなら、少し高くても腰に負担がかからない程度のイスは用意した方がいいです。
僕の同僚は、在宅勤務に切り替わってすぐ、座椅子での仕事が続いて腰を痛めてしまいました。
オフィスチェアー程度でいいので、購入を検討してみてください。
オンライン授業の仕組み(ご家庭でインターネットを契約している場合)
ここからは、オンライン授業をするための機器などについての説明です。
そもそもオンライン授業は、どのようにインターネットを利用しているのでしょうか。
オンライン授業を行う場合のインターネット・ネットワークについて、簡単な図を描いてみました。
オレンジ色の枠内がご家庭の内側だと見てください。
矢印の意味は、
- 青の矢印:物理的に線がつながっている
- 緑の点線矢印:Wi-Fi(無線)でデータをやりとりしている
- 赤の点線矢印:携帯会社の通信網(無線)でデータをやりとりしている
として使っています。
携帯キャリアとは、ソフトバンク・au・ドコモ・楽天(楽天モバイル)のデータ通信網のことです。
まず、先生がインターネットに授業を配信します。
インターネットに授業を配信すると、有線ネットワーク・携帯キャリアの無線ネットワークのどちらにもデータが配信されます。
※簡単にするために、有線ネットワーク・携帯キャリア無線ネットワークを合わせて「インターネット」と考えていただければだいじょうぶです。
一般的に「インターネット回線がご家庭に引かれている」状態の場合、青色の①→②、緑色の③の矢印の流れでインターネットを利用しているのがほとんどでしょう。
家の外から線を引っぱってきて(①)、モデムまたはONUを通したあとルーターと呼ばれる機器でWi-Fiに変換し(②)、スマホやタブレットで受信してネットを見る流れです。
この流れの特徴は、家まで有線(物理的な線)でデータがきていることです。
インターネットの契約にもよりますが、光回線・電話回線・ケーブルテレビ回線などが①です。
普通はインターネットを契約すると、ONUもしくはモデムがセットでついてきます。
(ONUとモデムの違いは、ここではあまり気にすることはありません)
ルーターはご家庭で用意するか、プロバイダー(インターネット回線を契約した会社)がレンタルしてくれるケースもあります。
ルーターを自分で購入するなら、最大手のバッファローがいいでしょう。
このようなルートでインターネット回線を利用している場合のメリットは、データ送受信が高速・データ送受信に制限がないことです。
特に光回線を利用する場合のデータ送受信は非常に高速です。
光回線を利用する場合、
- データ送受信が高速
- データ容量が無制限
ケーブルテレビ回線や電話回線を使っている方は、ネットサーフィンなどでは十分に事足りると思いますが、オンライン授業となると少し不安が残ります。
オンライン授業の仕組み(携帯キャリアのネットワークを使用する場合)
逆に「インターネット回線がご家庭に引かれていない」状態の場合、オンライン授業を行う方法は3つです。
- インターネット回線を契約する
- ポケットWi-Fiなどを利用する
- スマホ・タブレットのデータ受信を利用する
1は上に書いた光回線や電話回線などに接続できるように契約してしまう方法です。
個人的にはこれがおすすめ。
ですが、おそらく県が用意してくれる対応は2でしょう。
2と3を説明するために、もう一度先ほどの図を使用します。
2のポケットWi-Fiを使用する場合は、赤色の④、緑色の⑤のルートでデータが流れます。
ポケットWi-Fiは携帯キャリアのデータを受信してWi-Fiに変換し、スマートフォン・タブレット、ノートPCに送信します。
3のケースは最もシンプルで、普通に皆さんがスマホやタブレットを使うように、携帯キャリアのデータをそのまま受信(⑥)してしまう方法です。
イメージはつきますか?
2でも3でも赤い矢印、つまり携帯キャリアのデータを使うことになります。
つまり、どちらも「携帯キャリアのデータ通信量の上限」があります。
※ポケットWi-Fiを経由する場合はポケットWi-Fiの契約によりデータ通信量が無制限の場合もあります。
また、光回線などに比べると、データの送受信は低速です。
ポケットWi-Fiや携帯のデータを利用する場合、
- データ送受信が低速
- データ容量に上限がある
ポケットWi-Fiもさまざまなサービスがあり、主なメリットは光回線の契約よりも短期間で契約を解除することができる点です。
とりあえずポケットWi-Fiで様子を見たい場合は、こちらの方が合うかもしれません。
ここまでが、代表的なオンライン授業の仕組みです。
ちなみに、ソフトバンクAirという「1つの機器をコンセントに挿すだけでWi-Fiを使える!」が売りのサービスがありますが、ポケットWi-Fiの部分がソフトバンクAirの機器になったと考えてもらえばわかりやすいと思います。
ただし、ソフトバンクAirでデータを受信する場合、データ容量が無制限に設定されています。
だから、お客さんからすると、「コンセントに挿すだけでWi-Fi使い放題」となるのです。
三重県のオンライン授業で貸し出される機器は?
ここで話を戻しますが、三重県が「インターネット環境がない家庭に貸し出す機器」について、何が貸与されるのでしょうか。
おそらく、
- ポケットWi-Fi
- ノートPC(おそらく低性能のもの)
だと考えられます。
ポケットWi-Fiに加えて性能が低いノートPCを利用すると、先生の授業を動画で視聴するのはかなり厳しい状況になると思います。
できないことはないですが、途中で通信が切れたり、先生の声や動きがワンテンポ遅れることは普通に起こります。
ただ、県としては最低限のオンライン授業をまず実施することを目指すでしょうから、ここが落としどころだと考えられます。
県のオンライン授業が終わった後の話。
三重県のオンライン授業は、政府の緊急事態宣言に連動すると考えられます。
いつ緊急事態宣言が解除されるか分かりませんが、解除されれば学校に登校して授業を受けるようになるでしょう。
しかし、冒頭でも書いたように、今後オンライン授業の波は加速する一方です。
特別な理由がなくても、「塾のオンライン授業を受けたい!」とか、「英会話のオンラインレッスンを受けたい!」となる日は遠からず来るはずです。
実際、英会話のオンラインレッスンはすでに当たり前のように行われていますし、塾のオンライン授業も防犯や効率の観点から効果があるのは間違いありません。
この機会にオンラインに切り替えた塾などは、今後もオンライン授業の枠を残すことを検討すると思います。
そのため、オンライン授業に耐えられるインターネット環境を準備するタイミングは今しかないといえるでしょう。
これが、「今できる限り光回線の契約をした方がいい」と書いた理由です。
一度ご家庭のインターネットのご利用状況を振り返って、光回線の乗り換えや新規契約などを検討する機会です。
ご自分の家族が使われている携帯に合わせてもいいですし、携帯ごと他社に乗り換えて高額のキャッシュバックを受け取るのもいいと思います。
大事なのは、今このタイミングでオンライン授業に対応できる環境を作っておくことです。